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Channel: 海比古の酔いがたり
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銀座・イエナ書店

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銀座5丁目、晴海通りに面してイエナ書店はあった。間口の狭い古びたビルで、1階はなんて店名だったか普通の本屋さんで、その3階がイエナ書店なんだ。エレベータは無かったはずだな。狭い階段で3階まで上がると、1階の本屋さんとは全然違った雰囲気だった。なぜか? そこは洋書専門だったからだ。
博多に5年あまり居たとき、その会社から研修のために3ヵ月ほどを東京銀座に舞い戻ってた。といっても蔵前の実家に戻ったんじゃなくて、浦和にある寮の一室をあてがわれての、南浦和←→有楽町通勤の生活だった。銀座は三原橋跡のすぐ近くが研修の本拠だったが、昼休みのみならず、フラフラと銀ブラする都度、このイエナ書店に足を運んだんだった。アメリカの雑誌や書籍をしっかり見ながら、買わずに戻った。ドイツやイタリアの本は完全スルーではあったけども、アメリカのアートディレクションやグラフィックデザインの世界は、かなり勉強できたと思ってる。
イエナ書店はもう閉店してて、いまはビルも新しくなって(間口は昔のまんま)LONGCHAMPてなバッグや洋装小物の店だ。
そう、銀座には他の書店も好きに覗いた書店があって、晴海通りを数寄屋橋交差点まで行くと、東芝ビルての1階には、旭屋書店があった。また、4丁目交差点から中央通りを新橋に向かうと、8丁目には福家書店てのもあった。イエナ書店の閉店は10年ほど前には気づいてたけども、福家書店は気づかずにいたな。旭屋書店は東芝ビルの建て替えで、閉店は必然だろうなんて思ったりしてた。
閉店したとこばっかりの話だけども、南青山の嶋田洋書店はどうなってんのかな? もう20年は寄りついてないんだ。
 
きのう土曜日、夏日だった。汗を拭き拭きカミさんとショッピングデート。東銀座駅で地下鉄を降りても、予定してた松屋デパートにはすぐには行かず、若いころの我っちの書店巡りを追体験したんだった。「そのころは勉強家だったんだぞ」なんて自慢なセリフを吐きながら‥‥。8丁目福家書店のあたりじゃ長崎料理の「吉宗よっそう」が気になる。「昼ごはん、食べずにくればよかったね」とカミサンは残念気だった。
松屋デパートでは、目指してた梅雨どき用のジャケットがイマイチ当たりがなくって、カミさんも「じゃ、帰ろう」って。
汗かき損だったかな。

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