この言葉、いつごろから使われ始めたんだろうか。小学校でも中学校でも教わった覚えが無い。高校でも覚えがない。高校は実業高校だったんで国社英数てな普通教科は少なかったほうだ。だから教わってないのかな? と思ったりしてる。昭和36年ころって、熱中症という言葉、世間にはあったんだろうか?
物書きの端くれとして、我っちには恥ずかしいことがある。
熱中症てなことばが世間で使われ始めて、我っちは、その文字と、使われてる意味合いの関係に、どうしても馴染めなかったんだ。つまり「熱中」てのは「ものごとに集中して取り組んでる」姿を思い描くんだよね。言ってみればとってもポジティブな状態。だから「症」の文字がついてネガティブな意味になっちまってる「熱中」を、ずっとズット不思議な気持ちで使ってきた。
ところが去年だったか今年になってからのことだったか、ブログで『熱中してるからプラス志向とは考えられないのか?』てなことをどっかに書いたんだよね。そしたら誰かさんからリコメを貰っちまって『熱中の“中”は当たりの意味があります』って!
あ! そうか!!
いやあ~、恥じたね。物書きなんぞとエラそうに言ってて、思い込みの偏り具合はハンパなかった! 思い込みのクサビを取っ払ってみると、なんだ、ほんとにバカなこだわりがあったもんだと、しばらくは悶々だった。
的に中る
暑さに中る
フグに中る
熱中症てなことばに初めて行き当たったとき、どうして食中毒ということばを思い起こして、同じような判断ができなかったんだろ‥‥そんな悔やみを抱きながら、でもいまは、おかげさんで世間とズレずに使えてることばです。