Quantcast
Channel: 海比古の酔いがたり
Viewing all articles
Browse latest Browse all 494

朝ドラ「とと姉ちゃん」

$
0
0
ほとんど見ない「とと姉ちゃん」だったけど、つい先日、これが雑誌「暮しの手帖」誕生への話だと知って驚いたんだ。俄然、興味が湧きあがった。
あの雑誌の編集長・花森安治さんはライターでありイラストレターであり、もちろん編集者であり、文化評論家であった。アートディレクターをやってた我っちから見ると大大大先輩的な存在なんだ。
我っちも新しい雑誌の立ち上げに関わったことあるし、いろんな雑誌や広告類のライターでもあったから、花森さんの稀有な存在はいつも頭にあったんだ。
暮しの手帖』てな誌名の文字は彼の作だし、特徴のある明朝崩しの書体が好きだった。また、『パピリオ化粧品』のロゴも彼の作だと思う。昔、南麻布の坂を四の橋に向かって下り、明治通りにぶつかる角に白いビルがあって、そこの壁に『パピリオ化粧品』と大書してあるのを見つめるのは好きな瞬間だったな。あのビルはもしかしてパピリオの本社だったんだろうか?
 
雑誌を産み出す仕事って、ホントに難しいし、でも刺激的でウキウキな仕事だ。『暮しの手帖』は市民側に役立つ情報を、妥協なしに提供するのがコンセプトだったんで、広告なしを貫いた。家電製品なんぞの試用テストをやって、結果を掲載するってのは、その象徴的な姿勢だったね。
反対に思いだすンは『CONSUMER』誌を創った片山龍二さんのことだ。こっちの雑誌はナンと広告ページだけで出来ていて、それはそれは刺激的な存在だったね。
いま、雑誌業界は沈滞だけども、あのころの勢いのよさは懐かしく、もう再来は望めないだろうと思うと寂しくもあるんだ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 494

Trending Articles