1年前、千束稲荷の地口行灯や、浅草・伝法院通りの地口行灯を紹介した。
あのとき、千束稲荷の境内には、地口行灯の歴史や作者についての説明も貼り出されてた。
江戸期からつづく元絵もお持ち、という作者が判ったんで「そのうちに訪ねてみたい」と考えてた。
そして1年が過ぎた。
先日、3月のはじめにお会いできることになって行ってきたよ♪
画像と簡単キャプションでリポートしましょう。画像は、データ縮小をやってないんで、バカでかくなる拡大はおススメしません。
そこは手描き提灯の店だった。
伝統工芸に属する、江戸ふうの特殊技術だ。
ご主人は 村田修一さん。
この日は歌舞伎なんぞに使う傘の書き込みをされてて
放射状の骨を強調するためにと、閉じた傘を刷毛で塗る。
その後に「志ら浪」てな文字を太筆で書きこむんだね。
元絵。半紙を重ねると下の絵が透けて見える。これをなぞるように描き移すことで江戸時代からの元絵が継承されてるわけだ。ただ、変体仮名だった元句は昭和以降の人でも読めるように、現代仮名遣いに直してある。
絵と句は別々の筆を使うそうだ。
*今回、撮影後のデータ処理に手違いがあって画像が寝ちまった。すみません。
村田さんは、凧絵師の今井さん(故人)所有の元絵から写し取ったそうだ。凧絵師ってのは武者絵を凧に描く職人で、その本業にかかる前にこの地口元絵を描き移す作業で、筆ならしをしたんだということだった。
手書き提灯職人の村田さんも、そうした手順を踏んでおいでかもしれない。
右は村田さん所有の元絵296枚。
左は着彩した、行灯用の完成紙。
店内の様子、2点。
左では若い職人さんが提灯を手掛ている。
江戸手描き提灯とは、こういうもの。
あなたも、どっかで見たことあるでしょ?
村田氏の店は 荒川区南千住2-29-6で、屋号が「泪橋大嶋屋」と印象的。
泪橋なんて演歌の世界を想い浮かべそうだけど、じつは我っちは、漫画「あしたのジョー」を連想したんだ。ジョーの師匠・丹下段平のちっこいジムは、この辺り、山谷のドヤ街近くの橋の下にあった。
現在、ここの通りは拡張整備されてて、昔のドヤ街の面影はない。