東北行を夢見るうち、いつの間にか鳥海山の姿を北側から眺めることに、なんか憧れてきてた。なぜかな? 思うに、鳥海山を境にして北側はホントの北国、南側はまだ会津や信州といった、我っちなりのエリア感があって、きっと北側からの鳥海山は、その境目を厳しい姿で立ちはだかっているんだろう‥‥てなイメージがあった。
秋田で新政酒造に立ち寄った後、一気に7号線を下って、ブロ友・つや姫日記さんの住む酒田を目指すはずだった。ところがナンと道、間違えたみたいで、ふと気づくと国道13号を走ってた! やばい! 秋田市近くまで取って返して7号線を探し、今度こそ一直線に南下する走りにかかったんだった。海岸線を走るんだけども、結構、崖上の国道みたいで海からの風がスゴイ。これじゃ屋根付きバイクはスムーズな走行姿勢が危うくなるね。必死になってハンドルバーを抑え込み、でも右手はアクセルコントロールをつづけなくちゃいけねえ。おかげで東京に帰り着いても2日間は、首筋~肩~上腕~手首、これすべて右側だけに湿布薬を張り続けた次第だ。
走ってる間に日が暮れた。雲も厚く雨も少々。なにより風がスゴイ。暗い中に鳥海山の存在はなんとなく判別できたけど、中腹から上は雲に覆われてて下半身しか見えない。黒々と畏れを感じさせる山の存在感だった。
19時、酒田駅前に到着。秋田駅周辺と違って駅の周辺は暗いし寂しい。とりあえずは到着の報告をつや姫さんに電話しなくっちゃ。
「町に出るとホテル、探せる?」
「そこに居て。ウチに泊まってもらうから。迎えに行く、10分ほどで着くよ」
名も明かさない我っちが、ノコノコと泊めてもらうわけにもいかんだろう、と思いはしてても、どうも、この駅周辺の雰囲気じゃホテル探しも厳しそう‥‥なんてことも頭をよぎるのだった。
つや姫さんは、ご主人運転の車で現われた。その車に付いて後ろを走る。
おお~! ライトアップされた山居倉庫が見える。
おお! 出羽大橋を渡る。橋の下は最上川だぞ。
*この項、つづきます。市内観光です。