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Channel: 海比古の酔いがたり
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レンタルで「遠雷」

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どうしたわけか、これまで見ることに縁の無かった「遠雷」。おぼろげに、農業をやってる若者が紆余曲折、苦労の末につかんだ幸せが、ある日、遠くで鳴る雷の音で危機がやってくる‥‥みたいな勝手想像を抱いてたんだけど、ついにレンタルDVDでお目にかかることにしたんだよ
1981年の作だというから、我っちが会社を始めて7年ほどたったころの映画なんだね。会社は、世間でいう「3年やれば形になる」ってな話とは裏腹に5年近くを格闘して、どうにか形が整ってきた時期だった。仕事がおもしろくなっていた。
で、観た感想で言えば、我っちの博多時代(20~25歳)がひどく懐かしく思い出されたんだ。そして同時に「祭りの準備(1975)」てな映画とも重なって感じた。

「遠雷」で言えば、地面、大地、水、などをいつも気にしながらのトマト栽培なんだけど、我っちの博多時代の仕事は、コンクリート、アスファルト、ビル街、バーや飲食店が賑やかに密集した地区があちこちにあって、そこに居ながらの仕事はアートディレクターという、いってみればデザイン界の先端的なモンだった。だけど「遠雷」の主人公と気持ちが重なるんだよね。仕事を突き詰めたい一途さと並行しながら、スナックなどはしごしたりクルマで動き回ったり、若い女子と仲良くなったりもした。田舎でも都会でも、若い男子の生きざまは同んなじなんだなと、あらためて思うんだった。
「遠雷」、立松和平さんの同名小説の映画化だけど、宇都宮の土地柄や暮らしぶりが新鮮に見えたよ。立松さん、役場の職員の役でチョイ出、してたね♪

「祭りの準備」での主人公はシナリオライターになる夢を追ってて、そのためには東京に出ることがとっても大事な要素、になっていた。「遠雷」との違いは、この自分の大切な仕事を全うするための場所、環境に違いがあったことは大きい。だけど、若い者が目的に向かう意識の根っこのところが違うことは無い。そんな感じだね。あの若い海比古が、何事にも懸命に取り組もうと躍起になってたころが懐かしくなった。

「遠雷」は名作じゃなかろうか。もっと若い時に観ておきたかった映画だね。

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