「〇〇子(3階に住む娘)から誕生祝いだってよ」って、カミさんがにんまり笑って手渡してくれたのが、我っちの好きなスコッチ「バランタイン」。それも17年。こんなこと今までしてくれたことあったっけ? どうでもいいや、そんなこと。飲むべし。
いえね、訳は分かってんだ。
去年春、カミさんが仕事を離れて専業主婦に戻った後しばらくして、言った。
「ウチの建物や店子さんの管理、〇〇子にやらせようと思うけど、どう?」。
うん、長年やってきたカミさんだからね、そろそろ手を引くのもいいんじゃないかと思って「いいじゃないか、うまくやっとくれよ」とだけ言っといた。それからほぼ1年、我っちは口出しせずにぜ~んぶカミさんと娘に預けてた件だった。
たまに簡単な、ホントに簡単な報告めいたことはカミさんが言ってくれたから、大きな流れとしてはつかめてたと思う。
きっとそれがまとまったんだろうな。でもはっきりしない面もある。「法人化」って言葉が耳に入ったこともあったし、ローンの返済は終わってるけど所得税、固定資産税なんぞバカになんないだろう。商業高校を出て、地元の銀行で働き、そしてその東京支店に強引に転勤したカミさんのことだ、そのパワーで、きっとこれまでのようにして娘を支えてくれるんだろう。
てな訳が背景にあって、バラン17年が我っちに贈られたってことだよな。きっと。
我っちこれからも、安穏として文章書いてりゃいいか。
娘よ、そしてカミさんよ、よろしくな。