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Channel: 海比古の酔いがたり
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広辞苑

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ニュースでご覧のお人も居るだろう。きょう、広辞苑・第七版が発売になった。

我っちの仕事の大半は文章を書くことだったから、辞書、字引きの類にはタイヘンお世話になったもんだ。手許には、普通に国語辞典、漢和辞典、英和辞典、仏和辞典、用字便覧、ことわざ事典‥‥というふうな暮らしだったけど、その背後にでかい存在感で控えてるのが広辞苑だったんだ。
いま、第四版を頼りにしてるけど、これ、古書店で求めたモノ。そしてその前には第三版で、やっぱり古本屋を回っての物色だった。この第三版、懐かしく思い出すけど、二十歳のときに博多の会社に移り、その後1年くらいしてから買い求めたんだった。それを会社のデスクの上に置いて使い始めたもんだから、同僚が、ちょいと批判めいた言いかたで「海ってすごかねぇ~!」なんて。
その第三版には、前の持ち主だろうが、ちっこい字の書き込みがあって、タイヘンに活用してた跡が見えたんだった。
そんな訳で、いまにして思えば、プロの文章書きが中古の広辞苑にお世話になってたんだと、妙に胸がウズクんだよね。だからかどうか、きょうのニュースには、ちと刺激を受けちまって「う~ん、買おうかな‥‥でも先行きの長くない我っちが、この期に及んで新版の広辞苑を買う意味あるのかい?」なんてな、もんやりとした気分になってるとこなんだ。
もし、第七版を買うようなことになったら、いまある第四版はどうすればいい? あの分厚く重いのを2冊も手許に置いとく意味、あるだろうか‥‥なんてことさ。そう言えば第四版を買ったとき、第三版はどう始末したんだっけな? 思い出せない。

以前、ブログで「広辞苑が頼りだから」って書いたとき、ブロ友さんの誰だったかが「そんな重労働、回りくどいことやめて、PCやスマホで済ますべきだ」てなご意見もあった。我っちにとっては、それじゃちょいと食い足りないんじゃないか、みたいな気持ちがあって、やっぱり最後の牙城は広辞苑、ってことをつづけてる。いや、もちろん普通の国語辞典で済むことが多いんだけど「最後の」ってとこが我っちのこだわりなんだろうかね。

映画「舟を編む」では、辞典の編集者の仕事ぶりがテーマになってたけど、あれ、広辞苑の編集者がモデルだったらしいね。映画では解りやすく作られてたけど、実在の人がモデルとなると、映画への我っちの評価は低くなる。“ あの映画のような仕事ぶりじゃ、この広辞苑はできないだろ、広辞苑はもっと深い知識と感覚がなけりゃ出来ないはずだよなあ~ ” なんて勝手な考えも生まれてくる。でも、ま、映画はひろく分かってもらえるように作るんだろうから、我っちのそうした考えは的が外れてるってとこなんだろうけどさ。


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