柴又駅前の広場には、寅さんの銅像がある。またウチに居づらくなったかで当てのない旅に出る姿だ。ウチの方を振り返るポーズがステキだよ。
その寅さんの目線の延長線に、妹の「さくら」の銅像が立ったってニュースだ。この計画はたしか去年に持ち上がったはずで、聞き及んでた。
さくらの像は寅さんに向かった姿勢で、顔もまっつぐに寅さん像に向けてるようだね。両足をそろえ、腕もおろしてエプロンの前で両手の指がからんでる。つまり動きがない。寅さんの「動」と比べて「静」を意図したんだろうか?
寅さんの渥美 清さんは、もう死んじまってこの世に居ない。さくらの倍賞千恵子さんは健在。ってことで、我っちは寅さん像を、渥美さんをしのぶ記念碑みたいな存在にとらえてたけど、さくら像をどういうふうに受け止めりゃいいのか、ちと心の悶着があるんだ。
あくまで『男はつらいよ』シリーズのモニュメント、と言っちまえばそれまでだけど、どうもそうした割り切りができずにいる海比古なんであります。
一度、柴又まで行って直に見届けなきゃならんかな、そんな気持ちになってます。