自動運転の自動車が、このところ話題にのぼる。
そうしたなか、ホンダ（本田技研工業）が「倒れないバイク」を創ったそうだ。
ニュースの映像なんぞでは、スタンドも立てず、２輪のまんま自立してる。それを説明の担当者が後ろから軽く押してやると、車体の傾きに合わせてハンドルが切れて、自立をつづける。「アシモ」っていう自立歩行のロボットの技術が活かされてるんだって。
これって問題じゃないか？
ホンダがアピールしてる機能は、低速での取り回し、すなわちライダーは乗ってるんじゃなくて、ハンドルを支えながら駐車位置を変えるためにバイクを押して歩く、つまりライディング＝走行＝クルージングじゃないんだよ。
たしかに大型バイクは重いから、車庫のなかで方向転換でもしようとしたら、腰の備えと腕力が欠かせない。
バイクってのはクルージングで、ハンドルを切って曲がることは無い。かりにハンドルだけを切ったら、タイヤの接地面から上には遠心力がかかって、カーブの外側に倒れてしまうんだ。だから乗ってるライダーはハンドルを切るんじゃなくって、体とバイクを一直線上に保って（技法はいろいろあるけどここじゃ省略）、カーブの内側に倒れ込むようにする。これでカーブ外向きのモーメント（慣性＝遠心力）を防ぐのだ。
ニュースでの説明では「カーブでも“ちゃんとハンドルを切って”安全に曲がってくれますよ」と聞こえてしまうね。
そういううことを、ほんとにホンダが言ってるのか、はたまた、訳を知らないメディアの言葉なのか、どっちにしてもでっかい誤解が生まれそうだ。