「戦後レジュームからの脱却」の一つとして、 安全保障の面で今まで通りは通用しない、という立場が、安倍総理の基本的な考えだね。「今のまんまでいいじゃないか」って言う反論もあるらしいけど、さすがにそれは違うだろ。つまり安倍総理の言う安保環境は大きく変化したんだから‥‥ってのが正しいと思う。
だけど安倍総理は集団的自衛権行使という、生煮えの法案を出してきた。
たとえば「親密な国が第三国から攻撃を受けることで、日本の存立が危うくなる」ってのなんか、どんな理屈なのか!? 理解できないよ。
また、野党からの「後方支援などによって自衛官の “リスク” が増えるんじゃないか」てな質疑を、安倍総理はじょうずに取り込んで “リスク” てな言葉を使いはじめた。“戦死” と言わない野党も甘いけど「丁寧な説明で国民の理解を深めてもらう」なんて言いながら、野党の甘さに悪乗りして済まそう、てな安倍総理は不誠実だよ。
そんな議論の不毛ぶりに、我っち海比古は怒ったんだ(アハハ)。議員の誰かが、いっそ「永世中立国になろうよ」と提議して、議論内容が深まればいいのに、と期待したのが、今回の海比古の願望でありました。
我っちは集団的自衛権の法案に反対だ。かといって今のまんまでいいじゃないかとは思っちゃいない。安倍総理へのアンチテーゼとして永世中立国を持ちだしたのがホントのとこです。その意味で、これは当て馬なんですね。
議員の誰にも届かなかった願望内容だったけども、カバオさんが基本的姿勢をはっきりさせたうえで、反論を出しておくれだった。がっぷり四つに組めて、我っちは嬉しいんだ。
以下、カバオさんが言っておいでの個々のテーマについて、我っちの意見を書いてみます。
集団的自衛権こそ一番安上がりで
同盟国アメリカを助けるために、日本からずっと離れたとこまで行って相手を殺したり、こっちも戦死者が出たりしても「集団的自衛権のおかげで、安上がり」と言えるかなあ~。
スイスでは銃を持ちかえる
そんなことは憲法のもとでつくる法律に依るもんであって、法律はお国柄が出ます。日本で、そんな法律ができますかね?
中立国宣言と同時にアメリカは撤退する
いやいや、永世中立国になるには長く厳しい外交交渉が不可欠でしょう。お互いが納得しなくちゃ先に進めません。それに、アメリカには承認国になって欲しいんだから。
日本は美味しい
そのとおり。文化的に道徳的にとっても美味しい国として、外国人をむかえることができるのは、中立国としての大切な要素です。軍備と同等に、おもてなしは重要な抑止力です。
燃料や資源など~~輸出入が止まっても
自給自足は、永世中立国の条件じゃありません。貿易で儲けることだってできるんです。
とまぁ、全部は網羅できないけど我っちの方向性は解ってもらえるでしょ?
最後に、アメリカと安倍総理との関係を考えてみますね。
日本国憲法は、GHQの若い理想主義者たちによる草稿が元になってる。
軍国主義を叩き直して、リベラルな国創りに燃えてたアメリカは、朝鮮戦争をきっかけに反省を深めた。手薄になった日本を共産主義から守るには、やっぱり軍備が必要と考え直したんだ。でも、あからさまなことはできない。保安隊ってなことでスタートさせ、安全保障条約を結ぶことで戦力的なモノ(自衛隊)への成長を計ったネ。だけど憲法に深く関わったてまえ、それ以上の尻叩きは控えてた。
でもね、日本の人口、戦後生まれが半数を超えた時点からチクチクとちょっかい出してきた。自国の経済状態が悪くなったことも理由の一つじゃあるけど、扱いやすい戦後生まれの安倍晋三に目を付けた。
お坊ちゃん育ちで世間を読めない安倍総理、「仲良きことは美しき哉」みたいなアメリカの演出にどっぷりと浸っちまった。上下両院合同の場で演説も許され、ウハウハ希代の名宰相とまで思いこんじゃった。アメリカはそうした一方で、かなりな注文を押しつけたんだよ。あげく、安倍総理は国会の存在を忘れたかのような約束を、アメリカに差し上げちゃった。
そう、集団的自衛権行使への法整備を、だ。急がせる何らかの理由がアメリカにはあるんだね。安倍総理を持ちあげて利用するってこと以外にも。
大平正芳首相は、自民党の多数を頼りに消費税導入を図って選挙を打った。そしてコテンパンに負けちまった。そこで言った言葉が「国民は絶妙なバランス感覚を持ってる」ってね。
次の参議院選挙、または安倍総理による追いこまれ解散での衆院選挙で、日本国民はどんなバランス感覚を発揮するんだろ? 愚者がトップに立つほど、国民は冷静になる。そうした国こそ、立派な国だと言いたいな。