「ブラタモリ」、以前から好きでわりに観てるほうだ。けど、今やってる第2シリーズは正直、おもしろくない。
以前のシリーズじゃ、彼の気づきや発見、それへの笑いを含めたタモリ風解説が、演出の幹として確立してた。
たとえば、都会のそこそこ広い道が車線の一部だけが下り坂になってて、また向こうで同じ高さになってる。段差のところには古い石垣だ。「これって城壁か大名屋敷の石垣じゃない? 辻斬りでも出そうだな」
たとえば、街なかの交差点部分がわずかに盛り上がってる。「ここね、交差してるあの道は昔、川だったね、きっと。盛りあがりは橋のなごりだ、橋の下に誰が住んでたかね」
たとえば、路地を歩くと両側に建つ民家はすべて台所側(家の裏側)ばかり。「ほら、この路地は昔、狭い川だったはずだね。残飯とか捨てたかなあ」
ってなぐあい。
彼の融通ムゲな知識の幅とウンチクで、豊かな人間性さえ見えてくるんだ。そして、そのウンチクを裏づけてくれる映像と先生の解説とが、追いかけてくる。もちろん、番組構成は前もって組まれてるだろうけど、タモリさんのキャラクターはダントツに活かされてたね。
江戸なんぞの古地図をググッと3Dに展開して、そこを黒メガネの町民が歩いてる。そんなショウアップもあったな。知的で楽しめるシリーズだった。
いまのシリーズじゃ、タモリさんと同伴女性が向かうところに、大学教授やらいろんな専門の学芸員なんぞが待ち構えてて「ここから街の裏山を見上げて、ナニか気づきますか?」「この長い石段に踊り場がないのは、なぜでしょうか?」「この小エビは、この魚市場にしか水揚げされません。どうしてか判りますか?」
てなてな質問から始まる。
ま~当然に、番組としての仕込みはあるはずで、タモリさんの返答は90パーセント以上が的を得てるけどね。でもそこに、彼の得意なウンチクは出てこない。教授や学芸員とのやり取りも正解ばっかりがつづく。間違った内容じゃないから納得はできるよ。これって教科書でのお勉強でしかないね。
そういえばエンディングテーマ曲、井上陽水のだけど、前のシリーズのがメロディアスで楽しめたな。
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時節柄のご報告
いまんとこ、ウチにはチョコレートのかけらもありません。あはは~。