知ってのとおりミャンマーの総選挙では、アウンサンスーチー(*)女史が率いる国民民主連盟・NLDが政権を奪取するようだ。(*ミャンマーでは人の姓と名前はハッキリとは分かれていないと聞いたことがあるから、“・” などを打たなかった)。
彼女は「大統領を超える存在になる」と言ってるそうだけど、憲法を改正して治政権のある元首なんぞを考えてんだろうか?
ミャンマーという国名、我っちにはいまだ馴染めていない。あそこはやっぱりビルマだよ。
ビルマで想い起こすのは映画「ビルマの竪琴」だな。中学生のときに観たと思う。主人公の水島上等兵が、ナンで坊さんになってビルマに居残ることにしたのか、まだ幼かった我っちには解んなかったけど、高校になって原作本を読んで理解できた。
水島上等兵役は安井昌二、小隊長は三國連太郎、ビルマ人の物売り婆さんに北林谷栄。
小隊長は音楽学校出で、隊員にコーラスの指導をしていた。でもいま思うと、三國連太郎は音楽好きにしてはナイーブさに欠けてたように思うね。
いちばん印象的なシーンと思ったんは、英国軍に包囲されて身動きできなくなったとき、隊員全員の合唱で「埴生の宿」を唄う。するとしばらくして、英国民に親しく唄われてるその歌が英語で流れてきたところだった。もちろん、敵方の英国兵たちによる合唱だった。互いの心が通じた瞬間だった。
小隊は投降し捕虜になる。
この映画、監督は市川 昆さん。29年後の1985年にも同んなじ題名で新作を撮った。観たけど、先の作品のほうが胸に伝わったと感じた。我っちが幼かったせいかもしれない。
新作のほうは水島上等兵に中井貴一、少隊長に石坂浩二。ビルマの婆ちゃんは、???。
坊さんになり、戦死した日本兵や英国兵を悼んでビルマ全土を歩きまわる役柄に、中井貴一さんは理屈っぽ過ぎる顔つきだったように思えた。