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Channel: 海比古の酔いがたり
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ふっと出てくる、古い歌

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いつもそうなんだけど、昔に覚えた歌の一節が頭の中や口先に舞い戻ってくる。で、2ヵ月ほど前からこんな歌詞が頭にまとわりついてた。

~~まっさきかけて遅れはとらじ まっさきかけて遅れはと~らじ

この部分、唄えるんだけどナンの歌かどんな歌か、それが気になって検索したらこんな歌だった。

待ちに待ちたる運動会(作者不詳・昭和20年ころ)
《始まる前の歌》
待ちに待ちたる 運動会
来たれり来たれり あゝ愉快
吹く風涼しく 日はうららか
鍛えし技術 練りたる手並み
正々堂々 出で出で示さん
まっ先かけて遅れはとらじ
まっ先かけて 遅れはとらじ
《終わりの歌》
競い競いし 運動会
終われり終われり あゝ愉快
日ははや傾き 夕風涼し
日頃の錬磨 この功顕著
優勝劣敗 審判すみて
凱歌の声は天にもひびく
凱歌の声は 天にもひびく

こうして歌詞を見ると、どんどん唄えちゃうんだよ。でも学校で習った覚えがない。昭和20年ころの作だっていうから、小学校で教えてたとしても不思議じゃないのに。
でもね、この言葉づかい、小学生にはムリかなあ~。中学以上かなあ~。我っちが唄えるってことはどこかで習っちゃいるんだろうね。

そして次の歌
♪~~利根の川風 よしきりの

これ、大利根無情っていう歌で、我っちはぜんぶ唄える。けどこのよしきりってのが意味不明のまんま唄ってた。調べてみたらスズメみたいな小鳥らしいね。葦原や草やぶで暮らす鳥だって。で再び歌詞の全部をご紹介。わけは後から‥‥。

大利根無情(詩:猪又 良)
利根の 利根の川風 よしきりの
声が冷たく 身をせめる
これが浮世か
見てはいけない 西空見れば
江戸へ 江戸へ一刷毛 あかね雲
《せりふ》
佐原囃子が聞こえてくらぁ~
想い出すなァ
御玉ヶ池の千葉道場か うふふ
平手造酒も 今じゃやくざの用心棒
人生裏街道の枯落葉か

義理の 義理の夜風にさらされて
月よお前も 泣きたかろ
こころ乱れて
抜いたススキを 奥歯で噛んだ
男 男なみだの 落し差し
《せりふ》
止めて下さるな妙心殿
落ちぶれ果てても平手は武士じゃ
男の散りぎわは知って居りもうす
行かねばならぬ 行かねばならぬのだ

まぶた まぶたぬらして大利根の
水に流した 夢いくつ
息をころして
地獄まいりの 冷酒のめば
鐘が 鐘が鳴る鳴る 妙円寺

‥‥ときた。
三波春夫、浪曲師あがりの実力いっぱいだね。
我っちはこの歌詞の↓ここにしびれて唄ってるよ。


こころ乱れて

抜いたススキを 奥歯で噛んだ

息をころして
地獄まいりの 冷酒のめば

どれだけ、この歌詞に惚れてるかを判ってほしいから、比較のためにもう一曲、歌詞を紹介しましょう。シツコイけどこれで終わるから。

大利根月夜(詩:藤田まさと)
あれを御覧と 指差すかたに
利根の流れを ながれ月
昔笑うて 眺めた月も
今日は
今日は涙の顔で見る
愚痴じゃなけれど 世が世であれば
殿の招きの 月見酒
男平手と もてはやされて
今じゃ
今じゃ浮世を三度笠
もとをただせば 侍そだち
腕は自慢の 千葉仕込み
何が不足で 大利根ぐらし
故郷(くに)じゃ
故郷じゃ妹が待つものを

ばたやん(田端義夫)が唄ってるけど、ちと軽いね。それは歌詞の作りが叙事的だからじゃないかな? 叙情的な歌詞との違いでばたやんは損をしたかもね。

長なが、おつきあいをありがとうでしたッ。




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