これまで2度、底の張替えをやって愛用してきた靴。
雨の日も履けるようにと、ゴム底だ。
2年ほど前かな、三度めの底割れが起きちまって
雨の日は当然ながら、普通にも履けなくなってた。
愛着のある靴だからまた張り替えて、秋口から現役復活を目指してた。
そこで
今月初め、履物文化の密度濃い花川戸に赴いて、
確かな職人さんが居そうな、ちっこい修理屋さんを物色したんだった。
頼れそうなおじいちゃん職人が店のガラス戸越しに見えたんで、
そこで相談を持ち掛けた。
「底とヒールを全取っ換えして欲しいんです」
話はまとまって、職人さんは丁寧に靴の状態を見極めてた。
「ああ、これはダメですね。中底まで傷が行ってる」
「そうですか‥‥」
諦めるしかなかった。
大事に使ってきた靴が手許を離れる。
残念だけど仕方ない。
これから先、これまでのように会社のクライアントと
会うこともないだろうし、生活レベルは少し
レベル落ちしてもいいかな‥‥。
そんな思いを強くして、雨の日用の靴を
新しく探すことにした。
これも「心の大事」をひとつ捨てることになる。
人生は終末に向かってる。
これは確かだ。